空のいさかい 15
三日目の朝も雨は降り続いてました。
湖は水をたたえ、川はとうとうと流れ、地面は潤い、山の緑はつややかに甦っています。
地上の生きものたちも新鮮な飲み水を口にふくみ、浸ったり、泳いだりしています。
どの顔も喜びにあふれていました。
青空もようやく自分の過ちに気づきました。
『ぼくは今日もおとなしくしておくよ』
こう言っていた太陽が西の中空にたどり着いた頃、ようやく雲がとぎれ、雨がやんできました。
天上に住むあの人が、おまじないを解いたのでしょうか。
久しぶりに地上のみんなと青空が顔を合わせました。
青空は、自分のことをとても憎んでいるだろうと覚悟していました。
ところが
『わあ、青空が出たよ』
という声があちらこちらから昇り、みんなはこれまで以上に温かい笑顔を向けてくれました。
青空はじんと胸が熱くなり、涙で視界がにじむのを抑えることができませんでした。